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About OHAT
(Oral Health Assessment Tool)
OHATについて

OHAT(Oral Health Assessment Toolを用いた
多職種連携オーラル
マネジメントシステム

1、口腔アセスメントの目的

  1. 重要な感染対策

     口腔ケアは,重要な感染対策の1つとして認識されるようになりました。口腔ケアのポイントは,術者によるムラを減らすための標準化です。しかし,口腔ケアの回数や内容は,口腔内の汚染状況やADLの自立度などによって変化します。そこで,口腔ケアの標準化のためには,口腔内の評価(口腔アセスメント)がカギとなります。
    口腔アセスメントにより口腔内の状況を数値化してケアプロトコルを作成することで,口腔ケアの手技や介入回数の統一を図れます。また,スコアによって歯科に依頼できるパスも作成できます。アセスメントで,義歯の不適合やう蝕なども発見できれば,口腔機能の回復にもつながります。 感染対策

2、日本語版Oral Health Assessment Tool(OHAT-J)

アセスメントシートを導入するにあたり重要なのは,評価が煩雑でなく,歯科医療者でない看護師や介護士が短時間で簡単に評価できることです。
口腔ケアのアセスメントシートは幾つかありますが,ここでは,日本語版OHAT(OHAT-J)をご紹介します。オリジナルのOHATは,施設入所の要介護高齢者の口腔アセスメント用にDr. Chalmersらによって開発された口腔評価用紙で,多くの言語に翻訳されてします。

  1. (1)オリジナルOHATの信頼性と
    妥当性を検証した論文

    Chalmers JM, King PL, Spencer AJ, Wright FA, Carter KD. The oral health assessment tool--validity and reliability. Australian dental journal. 2005;50(3):191-9. 論文の詳細はこちらへ

     日本語版は,原文著者らの承諾も得て私たちで作成し,折り返し翻訳(back translation)による翻訳の確認も済ませてあります。妥当性と信頼性の検証も行いました。

    論文
  2. (2)日本語版に関する信頼性と
    妥当性を検証した論文

    松尾浩一郎,中川量晴:口腔アセスメントシートOral Health Assessment Tool日本語版(OHAT-J)の作成と信頼性,妥当性の検討.日障誌. 37:1-7. 2016.

    論文の詳細はこちらへ 論文
  3. OHATは,歯科医療者でなくても誰でも口のアセスメントができるような簡便な口腔スクリーニング用紙となっています。口の問題8項目(口唇,舌,歯肉・粘膜,唾液,残存歯,義歯,口腔清掃,歯痛)を健全(0点)から病的(2点)までの3段階で評価します。OHATを導入することで,口腔環境を数値化でき,口の問題を多職種間で共通言語化でき,医科歯科連携もしやすくなります。

OHAT-Jの活用
OHATはどなたでも無料で使用できます。口腔ケアの均てん化に向けてぜひご活用ください(無断転載,改変等は禁じています)。またアセスメントして導入するときには,すり合わせが必要です。各項目のすり合わせ用の資料やOHATの練習問題も作成しています。 ダウンロード
OHAT評価方法を記載してある説明用資料
説明資料はこちら
OHATの評価方法,口腔ケアの実践方法について解説している動画
解説動画はこちら

3、OHATの活用例

  1. (1)病棟での活用例

      神経内科の病棟で,看護師がOHATと口腔ケアプロトコルを使用した報告です。OHATを定期的に評価することで口腔衛生環境の改善に合わせた口腔ケアが行うことができ,業務の短縮にも繋がります。
    稲垣鮎美, 松尾浩一郎, 池田真弓, 渥美雅子, 三鬼達人, 中川量晴:口腔アセスメントOral Health Assessment Tool (OHAT)と口腔ケアプロトコルによる口腔衛生状態の改善. 日摂食嚥下リハ会誌, 21: 145-155. 2017

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  2. (2)歯科訪問診療での活用例

      老人介護保健施設において,歯科訪問診療と施設職員とがOHATを用いて連携にすることで,良好な口腔衛生管理を継続している取組みです。都内で歯科訪問診療を行っているエムズ歯科クリニックは,訪問先の老人介護保健施設と連携して,介護者と家族への口腔衛生教育と実技指導に重点をおき,

    ①口腔環境に関する情報共有
    ②口腔ケアの教育・意識付け
    ③歯科衛生士による専門的口腔衛生処置を統合した口腔衛生プログラムを行っています。

    日常ケア
  3. 日常のケアを行う介護者への教育や動機づけを加えた口腔衛生プログラムによって,入所や退所が繰り返される老人介護保健施設においても,入所者の口腔衛生環境が良好に維持されています。
    荒井昌海, 松尾浩一郎, 田口知実,森田英明:老人介護保健施設における口腔衛生管理の長期的効果-Oral Health Assessment Toolスコアで見た変化-. 老年歯科医学. 35:52-60. 2020. DOI:10.11259/jsg.35.52

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OHATに関するよくある質問

Q. OHATは勝手にダウンロードして使用していいのでしょうか。
A. 病院,施設,歯科訪問診療などの現場で使用されるときにはご自由にご使用ください。
Q. OHAT-Jを雑誌に掲載したいのですが転載許諾書は必要でしょうか。
A. OHAT-Jを雑誌に掲載 される場合には 当分野宛に転載許諾書 を送っていただくようお願いいたします。
Q. OHAT-Jの写真を講義などで使用してもいいでしょうか。
A. OHATで使用している写真だけの使用,転用はお控えください。
Q. OHATを学会発表で使用してもいいでしょうか。
A. どうぞご自由にご使用ください。
ただし,写真付きのアセスメントシートは日本語版オリジナルです。
発表の際には,以下の引用をお願いいたします。


Chalmers JM, King PL, Spencer AJ, Wright FA, Carter KD: The oral health assessment tool-validity and reliability. Australian dental journal. 50:191-199. 2005.

松尾浩一郎, 中川量晴. 口腔アセスメントシートOral Health Assessment Tool日本語版(OHAT-J)の作成と信頼性,妥当性の検討. 障害者歯科. 37:1-7. 2016.

Oral Health Assessment Tool (OAHT)日本語版. Available from:
https://www.ohcw-tmd.com/research

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